発見と出会い


アツイ・・・・・・
身体から汗が出て体がベタつく・・・・・・

身体に不快感を感じ頭から眠気が無くなり
目が覚める。

「ここは・・・・・・・?
 確か昨日九州から東京に遊びに来たんだっけ・・」

視界に入ってくる部屋が自室とは違う壁紙に一瞬
戸惑いを感じるが、昨日の出来事を思い出し
布団から出て、部屋と部屋とを区切っている扉を開け
キッチンに向って歩いて行くと
2人の兄に声を掛ける。

「将、功兄、おはよう」

キッチンに立ち朝食を作っていた将と功が振り向き
声を掛けてきたに挨拶を返した。

「オハヨウ。ちゃん」

「おはよう!もうすぐゴハンが出来上がるから
 洗面所に行って顔を洗っておいで」

キッチンの入り口に立っているに洗面所に行く様に
促すと、がキッチンから洗面所に向かい
洗顔と歯磨きを済ませてキッチンに入って行くと
功が笑顔で出迎え、腕に持っていた上下数着の服を
の身体に当て今日着る服を選び出した。

嬉しそうに鼻歌を歌いながら服選びをする功と
功が何をしているのか解らず、不思議そうに功の顔を見ている
を嬉しそうに笑顔で見守りながら将が出来上がった
朝食をテーブルに並べていた。

「よし!今日はこれにしょう!!
 、この服持って着替えておいで」

功から渡された服を持ち、先ほどまで自分が寝ていた
部屋に戻り、パジャマから洋服に素早く着替え
再びキッチンに戻り、朝食を食べる為に
テーブルの前に座ると、目の前に座っていた
功が、満足そうに頷き

「赤と黒のチェック生地のノースリブの膝上ワンピに
 七分のジーパン。そしてそのジーパンの裾には
 薄桃色のフリル!似合うぞ!
 これでどこに行っても、誰もが振り向くぐらい可愛いぞ!
 さ、写真撮ろうな」

自分が選んだ服の感想を言うと共に手に持っていた
デジカメをに向け間髪入れずに写真を撮っていった。

フラッシュが続く中、功の行動に慣れてている
将とは白米の入った茶碗を左手に持ち、
目玉焼きや豆腐とワカメの味噌汁を食べながら
会話をし、各々朝食の時間を楽しんだ。

「将、功兄は全然変わってないねぇ」

「そうだねぇ。ところでちゃん今日の予定は?」

「家の周りを散策する予定。将は?」

「僕は、宿題をしょう、と、思っているんだ」

「じゃ、私も午前中は宿題をして午後から外に
 出るから、一緒に宿題しようよ」

「じゃ、そうしょうか!」

「うん。功兄、早くゴハン食べないと冷めちゃうよ」

いつまでも写真を撮っている功に止める様に促し
朝食を食べる様に進めると
功もの意見を素直に聞き入れ、ようやく箸を
持ち、朝食を食べ始めた。

功も交え、談笑しながら朝食を取り
使った皿を洗い、机を布巾で綺麗に拭き、
その上には、麦茶の入ったコップと教科書、ノートが
広がり、将とが宿題をしている傍らで
功はデジカメからハンディーカムに変え
と将が勉強をしている風景を撮るながら

「解らない所があったら聞けよ」

と、声をかけ、視線をカメラに向けさせる様にした。

集中して勉強をした為、予定より少し多めに宿題を
仕上げ、昼食を作り食べ朝食と同様な事をやり取りし、
片付けをすますと、将とカメラを持った功に見送られ
は外へと出た。

夏の強い日差しを受ける中、昨日の夜、功に抱かれ
進んだ道を歩いて行く。

何も考えず、体に感じる日差しと風を感じながら歩く。

川から住宅地の風景に変わり、時々目に入ってくる
店を横目で見て楽しみ、歩いて行くと
網が張られている広場に着いた。

高く網が張られ、小さなコートを現す白線が引かれており
ソコでは、サッカーボールを蹴って試合をしている光景が
広がっていた。

目の前に広がる光景と聞こえてくる声につられる様に
広場に足を踏み入れ、試合が繰り広がっている
コートに近づき人と人との間から試合を観戦し始めると
小さなコ−トに1チーム5人でサッカーボールを蹴って
小さなゴールにボールを入れていた。

サッカーボールを使っているのにサッカーじゃない?

しばらく見ていると、試合が終ったらしくコートの中では
入れ替わりをしていた。

観客の人達が入れ替わり、コートの近くで観戦していると 
試合が始まり、コートの中でボールの動きを視線で追っていると
始まったばかりの試合はすぐに終わり、また、違う人達がコート
の中に入ると試合が始まった。

先ほどと同じ様に、ボールを目で追っていると
数分過ぎた所で試合が終った。

試合をしていた人達がいなくなり、また違う人がコートの中に
入って試合を始める為に話し合いをしている
所を見ていると、横から声を掛けられた。

「君一人?フットサルをやりにきたの?」

「え?私ですか?」

声をする方に視線を動かすと、黒髪で功と同じ年
くらいの男の人がを見下ろし、再び言葉をかけていた。

「そう、君」

「えっと、歩いていたら声が聞こえたので
 入ってきたんですが・・・・・ここはサッカーをしているのでは
 ないのですか?」

「フットサルは初めてかぁ・・・・・」

の話を聞いて、呟く様に言葉を言った後、
の姿を見たまま黙ってしまい
声を掛けられをは声をかけてきた
男性を黙って見上げた。

いつまで立っても状況は変わらず、両者沈黙で
思い空気が流れだしたが、この空気に耐え切れなくなった
が口を動かし声を出した。

「あの・・・・」

「君、サッカー出来る?」

話かけたが言葉が続かず、戸惑っていると
今度は男性の方から声を掛けると
も、会話が続く様に言葉を返した。

「いえ。兄がサッカーをしているので、ルールは少し
 解るのですが、ボールは蹴った事ないです」

「じゃあ、俺の練習相手になってよ」

「先ほども言いましたけど、私ボールを
 蹴った事ないので無理です」

イキナリの言葉に驚き、両手を左右に動かし
断りを入れるが、の声と動きを見た
男性はの行動がおかしかったのか
笑いながら言葉をかけた。

「大丈夫。ボールを蹴って足で止めるだけだから」

「でも、私運動音痴なんで、蹴ったボールがどこに
 行くか解りませんし」

大丈夫だという言葉をかけ安心させようとするが
簡単に説明された事に不安を感じ、断りを入れるが
男性はの言葉を聞くと、から離れ
カバンからボールを出し、に向って
こっちに来る様に手招きをしていた。

男性の呼び掛けに困惑しながらも応じ
近寄って行くと、立ち止まる様に言われ
止まっていると、足元にボールが転がってきた。

「止まらない内に足で止めて、すぐに蹴り返して」

転がってくるボールを見ていると、言葉をかけられ
慌てて言葉どうりに止めようとタイミングを合わせる様に
足を前に出すと、足に当たりどこか違う方向に転がって行く
のを走って追いかけ、男性に向って蹴り返すが、
力が足らず途中で止まってしまった。

「ごめんなさい!」

止まってしまったボールを取りに行こう走り出そうとするが

「大丈夫だから、そこにいて」

男性が言葉でを止め、取りに行くと
再びに向って蹴ってきた。

ゆっくりとしたボールがに転がってくる。

が取りやすい様に蹴られてボールはが足で
止め、蹴り返す。

何度も失敗し誤るに男性は大丈夫だと笑って蹴ってくる。

続けてやっていると、男性の所まで届く様に
なって来た頃には、高い所にあった太陽は夕日と言う
名前を変える光に変わり、外灯の光が主張し出す頃
足で蹴っていたボールを男性が手で持ち上げ
も元に近寄ってきた。

「暗くなってきた事だし、そろそろ止めようか」

の顔を見ながら声をかけると、
も頷き、男性の横に並び歩き出し、
男性のカバンの元まで行くと
立ち止まり、腰を屈めボールを片付ける姿を見ていると
思い切ってが男性に向って声をかけた。

「あの、今日はありがとうございました。
 とても、楽しかったです」

「それは良かった」

カバンから視線を外し後ろに立っていたを見ながら
言葉を返すと、から新たな言葉が紡がれた。

「また、ココに来てもいいですか?」

の言葉に困った表情をし

「いつもは違う場所でやってるから、そっちで
 だったらお相手させて頂きますよ。お姫様」

「その場所は遠いですか?」

「ここから電車で数駅離れた所なんだけど」

「行けます。大丈夫です」

「では、いつでもお越しくださいませ」

先ほどの困っていた表情から、優しそうな表情に変わり
の頭を軽く撫ぜた。

も照れくさそうに笑いながら男性に頭を撫ぜられていると
何かを思いついた様に、男性の顔を見て

「もし、宜しかったら名前を教えて頂けませんか?」

「俺の?」

「はい」

の質問に頬を掻きながら答えを渡した。

「俺の名前は、周防将弘。
 お姫様のお名前は?」

「私の名前は、風祭です。
 これからよろしくお願いします周防さん」

「こちらこそよろしく、ちゃん」

お互い名前を教え合い、
家の近くまで送ってくれると言う周防の言葉に甘え
暗くなりかけている中、お互いの事を話
歩いて行くと、行きより早く家に着いてしまい

また、今度合った時に、そう約束をし

別れ、はマンションの中に入って行った。